GoWest!東海道を西へ!
新東名で行く金星の太陽面通過観測記
金星の太陽面通過(日面通過)は地球から見て金星が太陽の真ん前を横切る現象で、
243年間に4回だけ起きる珍しい現象です。今、世界に生きている人々にとって、
おそらく人生最後の観望チャンスです。
次回は105年後2117年12月11日まで起こりません。
以前水星の太陽面通過を観測したことがありましたが(2006年11月9日)
それでもだいぶ面白かったので今回は相対的に大きさが大きい、
金星ということで、期待は高まりました。
基本自宅のベランダで観測しようと思っていましたが、
なんと、西から台風が来ているではないですか。予報も雨の後曇りでした。
あまり天体観測に関して移動する方ではないですが、人生2度見られないとし、
今回は仕事がお休みで(少し早い夏休み)さらに4月に新たに出来た新東名を走ってみたかったこともあり、
天気予報の良い西への遠征を前日に決めました。
上の天気予報図から判断出来るように浜松辺りまで行けば雲が切れそうな感じでした(川崎から約200km)。
器材的には金環日食と同じでと考えていましたが、
400mmの望遠レンズだと太陽の大きさが少し迫力欠けると常々思っていたので、
もう少し距離長いレンズの購入を考えていました。
特に太陽面を通過する金星は面積が小さいので少しでも大きくと思いました。
しかし400mm以上の望遠レンズは値段が400mmに比べ途端に高くなるので、
あきらめようとしていましたがネットでミラーレンズなるものを見つけました(反射望遠鏡の原理)。
Nikon ミラーレンズ Reflex-NIKKOR 500mm 1:8がオークションで2万円の格安で
売っていた500mmレンズを急遽購入しました。
このレンズ、オートフォーカス非対応・F値固定で一般の人から見ると
「何に使うの?」と思われるレンズですが、
ピントも露出も手動で使うのが当たり前の天文的には安く望遠が得られるので、
なかなかお得なレンズです(当然今は発売していません)。
当日は、朝4時に起きて、まずは天気予報のチェック。
昨日の予報がほとんど変わっていなかったので、予定通りに西に向かうことにしました。
5時自宅を出発し東名の青葉町田ICから西に向かいました。
天気はドン曇。御殿場から新東名へ入りました。全体的に道路が広くてとても運転しやすいです。
特にトンネルが広くて圧迫感が全然違います。
ただ、車のカーナビデータがまだ新東名に対応していないため、
到着時間予測やサービスエリアの情報などが無いのが少し辛かったです。
朝6時過ぎに新東名最初の駿河湾沼図SAで休憩(正式にはNEOPASA:ネオパーサ)。
曇りでしたが、景色が最高に綺麗なSAでした。さらに西へ。
静岡SAで太陽が見えてきたので車を停め撮影開始。
ちょうど第2接触の7時15分ぐらいで、金星が太陽にかかるところが撮影できました。
周りの車を見ると、私と同じような関東のナンバーの車が多数駐車して太陽にカメラを向けて撮影していました。
一段落して、朝食を買って順調に撮影していましたが、
1時間もするとだいぶ雲が多くなってきました。そのうちに完全に雲ってしまいました。
周りの人も移動し始めたので、私もさらに西に向かって移動を開始しました。
20分程度走って浜松SAに到着すると青空が広がっていました。
再度撮影開始。ほぼ快晴で夏のような天気でした。
ここで、金環食で使用した専用めがねで太陽を見ると「ほくろ」みたいな金星を
肉眼でも太陽面に確認することが出来ました
(水星の時は、肉眼ではほぼ見えず写真判定でしたので)。
撮影が続くので駐車場から離れられないので、
昼食は土地柄「うなぎ弁当」を頂き元気を付けました。
13時過ぎると、また雲が多くなってきました。
ただ、雲も動きが激しく雲間に5分に1回ぐらいは太陽を見ることは出来ました。
13時45分にほぼ終了。SAでお茶をして、新東名を逆に帰途に着きました。
6時間という長丁場で疲れましたが、輝かない金星を見られて楽しかったです。
新東名、往路3450円・復路は3800円でした(ETCの場合、通行時間帯によって色々割引制度有るみたいです)。
思ったより高くは無かったです。
それにしても最近の天気予報は良く当たる!
ところで、最初に金星を発見するのに少し時間がかかりました。
これは、最初資料を見て、金星の位置を時計盤の11時ぐらいの位置と予想しておりましたが、
実際には時計盤9時の位置に現れたからです。実施には左のイメージ図のように見えました。
左上から右下にかけて時系列順。
雲の合間に撮影したかが偲ばれます。