皆既日食に関する日記
 
【皆既日食:観測記】
 ■ 皆既観測
 ■ 観測風景
 ■ 観測場所
 ■ 撮影準備
【皆既日食:旅行記】
 ■ ツアー:選択
 ■ ツアー:結団式
 ■ ツアー:飛行機
 ■ ツアー:勉強会
 ■ ツアー:ホテル
 ■ ツアー:アンタルヤ・シデ
 ■ ツアー:イスタンブール
 ■ ツアー:ベリーダンス
 ■ ツアー:トルコ名物

天文ガイドと旅行会社の方から頂いた写真です


◆3つの願い◆
 天文を趣味とする者は、”3大見たい天文現象”があると言われている(私が勝手に言っているのかもしれないが)。
それは、”肉眼大彗星”と”流星雨”と”皆既日食”です。肉眼大彗星は、百武およびヘールポップで満喫できました。
また、流星雨もしし座流星群の極大時に曲がりなりにも体験できました。残るは皆既日食のみです。
10年前にハワイの皆既日食に出かけましたが残念ながら皆既直前で曇りその時には撃沈しました。
◆今後の皆既日食◆
 今後の皆既日食は、次は2008年8月1日にカナダの北部からグリーンランド、ロシア、モンゴル、中国を皆既帯の
皆既日食が起こります。この日食は、最大食でも皆既時間は2分30秒に満たないです。日本から比較的出向きやすい中国
の西安では皆既継続時間1分30秒を超える程度で、地平高度はわずか4度です。
 さらにその次が、2009年7月22日、日本の南方海上を皆既帯が通過するものです。皆既継続時間が6分を超え、
日本ではここ数年で大本命ともいえる皆既日食ですが、陸地がきわめて少ないのが残念です。その後も2010年〜
2016年までに5回起こりますが、いずれもアクセスが難しい場所だったり、ほとんどが洋上だったり、皆既継続時間が
非常に短いものなので、2017年8月21日に北米大陸を横断する最大食で継続時間が2分40秒ほどの皆既日食まで
 出向きやすい日食はほとんどないです。その意味で今回の皆既日食は見逃せないものと考えました。

日食図・日食計算オンライン・データベースから引用

【皆既日食】
 

 
 観測成功致しました。
 <左>第2接触
 <右>皆既中
 皆既当日の朝は、自然と4時ぐらいに早起きしてしまいました。空を見ると雲ひとつ無い快晴でした。
逆に快晴過ぎるのが怖いぐらいです。皆既が丁度昼飯時なので少し遅めの10時に朝食を取ることにしました。
12時過ぎ太陽が欠け始めました。CNNトルコがテレビでライブ中継をしていたのでそれを見ながら皆既を待ちました。
部分日食はハワイ日食で十分見ているので!?メモリ容量の減少を避けるため今回は撮影は皆既中に専念することにしました。
半分ぐらい けたところで西から薄い雲が出てきました。ハワイの二の舞かと思ったが、皆既になる頃にはなんとか東に流れてくれました。
そして皆既です。最初は写真撮影に夢中でした。しばらくすると落ち着き、双眼鏡でもしっかり皆既中の太陽を見ました。
 

 
【観測風景】
 

   
夕日(皆既中は昼間ですが)みたいに周りが綺麗です。星がひとつ(金星)が輝いていました。


【観測場所】
   
 やはり良い写真撮影観測をするのには良い観測場所の確保が必要になります。
時間とお金をかけても最終的に良い場所でないと良い撮影は出来きません。
ディズニーランドにしろお子さんの運動会にしろ、そのためにみんな並ぶのです。
しかし、今回は幸いにも南が海岸のリゾートホテルのため、観測場所が無限にあり全く問題になりませんでした。
もちろんツアーは特等席を確保して頂いたが(ホテルイラスト右の赤丸)どこでも自由にベストな位置が確保出来ました。

私は、赤道儀は使用しないので、自分の部屋のバルコニーで観測をしました(左の赤丸)。
話は、違うが船上での皆既日食観測ツアーの場合、場所の割り当ては抽選になるそうです。


【撮影準備】

◆ファイル形式の選択◆
 撮影にあたりファイル形式をJPEGにするかRAWにするか非常に悩みましたが、今回は初めての
撮影ということで、数打てば当たると考え、後加工のし易すさより撮影の連写性を優先して
JPEGとすることにしました。4分間(360秒)の皆既中に80枚の写真を撮影することができました。
4〜5秒に1回の撮影となりました。実際には途中30秒ぐらいはビデオ撮影の補正、あと30秒ぐらいは
双眼鏡で眼視の観望をしていたので4秒弱感覚での撮影となりました。1Gのハードディスクドライブを
積んでRAWだと40枚、JPEG200枚の撮影枚数できますが、RAWだと途中でメモリ不足と
なっていたかもしれません。JPEGは画像サイズは4526×2848で撮影しました。

◆露出・シャッター速度・ピント◆
 月刊天文(ISO100,F8)の資料を参考にして露出決定しました。
ISOは100、F4.5、望遠400mm。
【ダイヤモンドリング】F4 1/250〜1/500(Fが倍なのでシャッター速度も倍にした)
【皆既中】 F4 1/60〜1/30外部コロナは数秒(追尾をしていないので秒単位のシャッター速度は厳しい)
   
 BKT(オートブラケティング:自動露出補正機能)を使用して(3F:1.0)
で0/−1/+1の露出変更シャッターを切るたびに自動変更してくれる機能を使用しました。
左から0(1/250)/−1(1/500)/+1(1/125)の露出(シャッタースピード)変更


◆時間合わせ◆

 日本との時差は-7時間。日本が8:00のとき、トルコは深夜の1:00。サマータイム期間の時差は-6時間。
サマータイム期間は、通常は3月の最終日曜深夜1:00から10月の最終日曜の深夜1:00。到着した日から
サマータイムとなっていたので街の中時計も狂っていました。皆既日食は短いので時計は合わせは重要です。
日本から電波時計を持参したが(海外ではもちろん電波は無い)数秒も狂っていませんでした。
今回は部屋で観望していたので地元テレビのCNNトルコが良い時計代わりとなりました。


◆その他◆
・皆既中はみんな舞い上がってカメラの誤操作するそうなので不要な所はガムテープでとめておきました。
・皆既中は暗くなるということなので懐中電灯を用意しておきました。しかし実際には使用する機会はなかったです。
・部分日食を撮影するなら
ND400ND4でも少し減光が足りないです。ND400+ND8が必要か?
 部分から皆既は一瞬に変化するので、スクリュー式のフィルタより交換式のフィルタの方が扱いやすいです。


【ツアー選択】2005年12月頃
 今年、トルコで皆既日食があることを知り再度の挑戦となりました。


 前回のハワイ日食では、ホテルから観測地(ゴルフ場)に皆既の朝にバスで移動する方式です。
ハワイ日食のでは、場所が観光地のハワイという好条件ということもあり、
一般の人の方(私も一般人だが)大勢詰め掛けた結果、観測場所がホテル敷地内では出来なくなった
都合上(私の記憶では200〜300名居た気がする・・・)広い場所が必要になったのだと思います。
移動用のバスが途中で故障してしまい、観測地への到着がぎりぎりになってしまうとい痛い経験があります。
さらに、観測地では曇ってしまったが、宿泊したホテルではしっかり日食を見れたらしいです(結果論ですが)。
そんなこともあり、今回は宿泊ホテルで観測できるツアーを探しました。

 ="http://naokisai.com/astro/eclipse/tua.pdf">天文ガイド主催(JTB)のツア
ーが宿泊ホテルでの観測でありましたので、そのツアーに決めました。
観測地が宿泊ホテル内なら、電源や忘れ物の心配も無い。ひとつ心配はホテルの敷地は狭いため、
場所の取り合いがあるのではと考えるが20〜30名のツアーならこの心配も無いと考えました。
天候を考えると、リビアやエジプトの方は晴天率は高いが、予算との相談で一番安いトルコにすることになりました。


【機材購入】2006年1〜2月頃
 日食は目で見るのはもちろんだが、やはり、写真撮影して残したい気持ちもあります。
10年前は当然フィルムカメラで撮影したが、今回はデジタル一眼カメラを新規購入して撮影することにしました。
秒単位で刻々変わる日食では、露出やピントを合わせるの大変です。
ハワイの時も、撮影して日本に戻るまでは上手く撮影出来ているのか判らず(まあ雲越しの部分日食でしたが)どきどきでした。
デジカメなら、その場ですぐに撮影結果が見れるので、これらの心配は要らないと考えました。


◆一眼デジカメ◆
 一眼デジカメは持っていなかったので、今回皆既に合わせて新規購入することにしました。
天体撮影をするのに一番のデジカメはキャノンのEOS 20Daだが、私は以前からニコンの
カメラを使用しているため交換レンズがニコンでそろえてあるの、是非ともニコンFマウント
の一眼デジカメにしたかった。D200が一番であったが、あまり天文を意識している様子がない
ので、天体撮影を意識している同じニコンマウントのFinePix S3 Pro(メモリ増強)を
新規購入することにしました。特に便利なのが、マニュアルには公式ではありませんが
通常の単3電池4本で使用できるところです。海外とか地方に行った時、カメラ専用の
電池が手に入れない場合がありますので。

マウント変換アダプターを使う方法もありますが、フォーカスや絞りなどが連動しないため
一般撮影には不向きと考えました。また、連写のため電子レリーズも購入しました。
ニコンのMC−36(10ピン)がそのまま使えます。



◆望遠レンズ◆
 手持ちの210mmで撮影してみたが、もう一歩、円形像が小さい感じがしました。
出来れば300mm以上が欲しいと感じました。本当は純正のレンズが欲しかったが予算の都合(10万以下)で
レンズ専業メーカーのレンズを購入することにしました。シグマの135mm〜400mmの望遠レンズを購入しました。
◆望遠デジカメ(サブ)◆
 皆既中の周りの風景撮影用
◆デジタルビデオ◆
の体制で臨むことにしました。

◆電源事情◆
   
さて、デジカメ撮影(およびビデオ)で一番肝心なのは、電源(充電)データバックアップです。
 電源で、電圧は日本のAC100Vと海外のAC220Vがあるが、現在の充電器はほとんどAC100V−240Vの
対応となっているのでそのまま使えるが、コネクタ形状が異なっているので、各国異なっているので変換が必要です。
トルコは写真のように2つ足のヨーロッパ型。私は今後の海外旅行を考えマルチ形変換器を2つ持って行きました。
 データバックアップは、小型ノートパソコンを持参して、デジカメデータを撮影の度パソコンと他のUSBメモリに転送しました。
パソコンもいつ壊れたり盗まれたするか判らないのでUSBメモリにも転送して肌身は離さず持ってしました。
便利グッズとしてパソコン無しでもUSB同士で転送できるグッズを持っていきました。
パソコンは壊れなかったので使用することは無かったですが。
 
◆インターネット事情◆

一応、パソコンでインターネット接続出来るように、無線LANカードと有線LANケーブルは持っていったが使用しなかったです。
やはり、トルコの地方のホテルではダイヤルアップでした。しかし、最終日に宿泊したホテルではIP電話(写真)がありました。
値段が判らなかったので、使用しなかったが同じツアーの方に後で聞いたら無料だったそうである。
たまの海外旅行、ネット情報に振り回されることなく、静かな日々を送るのもよいかもしれないです。


【ツアー成立】2006年3月頃
 3月4日にバンドライブがありそちらの方に熱中していたため、しばらく日食のことは忘れていました。
そのうち、ツアーの申し込み金の振込み通知が来たので、どうやらツアーは成立したらしいです。
ツアーの成立は、大事である。最低開催人数が30人だったので少し心配でした。結局は29名でした。
振込み後、旅のしおりが到着。かなりツアーの詳細が見えてきました。今回は同じホテルに3泊と言うのが嬉しいです。
友人の噂によると、各ツアー結構キャンセル待ち状態だったらしいです。
 

■ ツアー:結団式

成田空港には、朝、地元の新百合ヶ丘から直通バスで。集合1時間前には到着。
10時に予定通り、団体カウンターで受付を終了。先に荷物のみ預けました。
最近重さが厳しい(20kg+15kgの二つ)ということでドキドキでしたが、
結果的にはツアー全体で重さを計算していたようであまり心配する必要はなかったようです。
まず、成田空港内のVIPルームに最集合して結団式を行いました。
右の方が”JTBの荒川さん”、左の方が”天文ガイドの西尾さん”です。
 

■ ツアー:飛行機

今回は、往復:成田↔ミュンヘン(ドイツ)↔イスタンブール↔アンタルヤで、
国際線はルフトハンザ航空、国内線はトルコ航空でした。
ミュンヘンでは、行きは2時間・帰りは5時間の待ち時間になってしまいました。
まあ、連続して搭乗するよりは疲れなかったのかもしれないです。
正直かなり疲れた。イスタンブールまでの直行便もあるが今回の予定には会わなかったらしいです。
トルコ国内は、昔懐かしいタラップ型の搭乗でなにかとても楽しい気分でした。
意外に日本人はわれわれのツアーぐらいで、残りはアメリカ人が多いらしいです。
 =left>
■ ツアー:勉強会


■ ツアー:ホテル
やはり旅の良し悪しはホテルによって決まるのかもしれません。
今回のツアーでは以下の3つのホテル泊まりました。
イスタンブールでは移動の途中で泊まったと言う感じでしたがシデでは3泊しリゾートライフを楽しみました。
イスタンブール シデ(皆既観測) イスタンブール
シナールホテル ペリシアホテル ディバンホテル
★★★ ★★★★★ ★★★★★


ホテルの中には、日食の情報が貼ってありました。


■ ツアー:アンタルヤ・シデ
 
皆既日食終了後、ツアー参加者みなで記念写真を撮影し、観測地シデの半日観光に出かけました。
アポロン&アテネ神殿(左)。シデ半島の岬にあり、海と白い柱のコントラストが見事です。
皆既日食の各国のマスコミもここに基地を構え神殿と皆既日食の映像を届けていたみたいです。
シデ円形劇場(右)。2世紀に造られたれ2万5000人が収容可能だそうです。
NASAのチームが皆既日食観測をしていたそうです。



現地添乗員のアッティラさん。トルコの歴史をいろいろ教わりました。

■ ツアー:イスタンブール

スルタンアフメット・ジャミィ
このジャミィはブルーモスクの愛称で広く親しまれているらしいです。
内装を飾るタイルが青を主体とするのでこの愛称が付いたらしいです。



トプカプ宮殿
 ボスポラス海峡を望む小高い丘に建てられています。
アヤソフィア外を見ただけです。


■ ツアー:ベリーダンス
ベリーダンス はエジプト、トルコ等、アラブ全域で踊られる女性による即興のソロダンスとして有名ですが、
名の由来腹部や腰をくねらせて踊る為、欧米ではBelly(腹部)Danceと呼ばれているところもあります。
アラビア語でのベリーダンスはRaks Sharki(東方の踊り)という呼びかたをします。
トルコに来たからには本場のベリーダンスが見たいと思い、ツアーコンダクターさんに頼んで手配して頂きました。
ケルヴァンサライという、宿から近いナイトクラブに行きました。
期待通りに若いダンサー3人で約2時間のショーを堪能できました。


一人目のダンサーさんは会場に撮影にきました。ショー終了後1枚8ドルでの販売でした。


■ ツアー:トルコ名物

◆トルコ通貨◆
基本はトルコリラだが、やはり米ドルならほとんどどこでも使用出きました(ユーロもOK)。
大きな店なら日本円もOK。
◆トルコ料理◆
基本的に野菜が多い料理が多い。肉は日本人の味覚と合う味付けでした。
◆トルコ風呂◆
日本で言うと、岩風呂とサウナとマッサージを組み合わせたものでした。
◆トルコアイス◆
あの良く伸びるアイスである。しかし、トルコではほとんど見かけなかったです。
◆トルココーヒー◆
コーヒー豆を沈殿させて、上澄みだけを飲むコーヒーです。
◆トルコ絨毯◆
玄関マットで3〜4万します。


■ おみやげ
おみやげのTシャツです。


*** 参考文献 ***

地球の歩き方'05〜'06イスタンブールとトルコの大地:ダイヤモンド社

月刊天文2006年2月号3.29”黒い太陽”を狙え
!:地人書館